藤子・F・不二雄のSF短編「ぼくの悪行」の考察・あらすじ・ネタバレ

 

みなさんこんにちは、気ぶりの爺さま（@fujiko_comic）です。

 

パラレルワールドからやってくるもう一人の自分の「悪行」に激怒し、主人公もやり返しに行くSF短編漫画「ぼくの悪行」。

この記事では、そんな「ぼくの悪行」のあらすじやネタバレ、考察などを詳しくご紹介していきます。

記事の最後では、「ぼくの悪行」を収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』を数百円の格安価格で購入する方法も解説します！

この記事の信頼性

 

 

「ぼくの悪行」の登場人物

「ぼくの悪行」のあらすじ・ネタバレを解説する前に、登場人物を簡単にご紹介します。

登場人物①：有川布礼夫

本作の主人公。ごくありふれたサラリーマンをしている。

ある日、行きつけの喫茶店で「もう一人の自分」を見つけ、もう一つの世界であるパラレルワールドに繋がる空間を発見する。

登場人物②：もう一人の有川布礼夫

もう一人の有川布礼夫。

パラレルワールドから主人公の住む世界にやってきており、やりたい放題の悪さをして主人公を困らせる。

登場人物③：課長

主人公が勤める会社の課長。

ネチネチと部下をいじめるのを無上の楽しみとしており、主人公も目の敵にされている。

登場人物④：ルミちゃん

主人公行きつけの喫茶店に勤める19歳の少女。

主人公に密かに思いを寄せられている。

登場人物⑤：主人公の妻

主人公の妻。

日々、主人公を会社に送り出している。

 

【ネタバレあり】「ぼくの悪行」のあらすじ・結末

有川布礼夫は、団地に妻と住む、ごくありふれた冴えない中年サラリーマン。

会社では課長にネチネチといびられ、19歳のウエイトレス・ルミちゃんを「いい年して…」と思いつつも目当てに喫茶店に通いつめている。

ある日、いつものように喫茶店に行くとルミちゃんに「ゆうべのお話し、OKよ」と、そっと告げられる。しかし、有川は昨日喫茶店には行っていなかったため、覚えがないことをルミ子に問うと不機嫌になってしまった。

さらに同僚に、自分がディスコで踊り狂い、女の子を口説いていたと聞かされ、「このところ身に覚えの無いところで、見たという話をきくな。」と訝しがっていた。

その日も課長にネチネチとやられ、夜道を歩きながら「あいつのいない世界へ行きたいよ」と愚痴をこぼす有川だったが、いつものように喫茶店へ入ろうとすると、何とすでに自分がいる…！しかも「もう一人の自分」は、ルミ子に馴れ馴れしく指切りをして、マスターにたしなめられる始末。

店を出て鼻歌を歌いながら歩いていく「もう一人の自分」の後をつけると、公園にある一本の松の木に登り、突然消えてしまう。

有川は同じように松の木に登ると、急に違う世界にワープした。ワープした先の世界も同じ松の木がある公園だったが、微妙な違和感を感じる。

有川はそこはパラレルワールドで、松の木の上に2つの世界の裂け目が開いていると理解した。「あっちの有川」はこっちの世界へ入り込み、好き勝手なことをしているのだった。

自分も仕返ししてやろうと決意した有川は、「あっちの世界」の喫茶店でルミを呼び止め、思い切ってデートの約束をし、OKをもらう。

喜んで元の世界へ帰った有川は、次の日デート資金を確保するために会社への前借りをするも、すでも「もう一人の自分」が前借り済みだった。

怒りに湧き立つ有川は、「あっちの世界」へ行き首尾よく前借りをし、「ツケはあっちにまわるんだ」と、会社の女の子のお尻まで触り上機嫌。

しかし、元の世界へ戻ると「課長は有川に殴られた」と言い、会社の女性たちは「セクハラをされた」と有川をなじっている。さらに、マスターは「ルミ子にしたことを許さない。二度と来るな」といい、妻はルミ子のことを問い詰め、責めたてた。

有川は「もう一人の自分」の嫌がらせを確信し、何倍もの報復を決意し、次の日「あっちの世界」へ向かった。

ゴルフに行った課長を殴るのは諦め、せめてデートしたルミ子を襲おうと夜の公園へつれだす。夜の公園はすでにカップルたちがもつれ合っており、ルミ子は無邪気に「あんなHなことしてる！」と大声でわめきたて、気が削がれた有川はそのままルミ子を帰す。

しょんぼりした有川は元の世界へ帰ろうと松の木にのぼり、「世界の裂け目」から覗くと、まさに「あっちの有川」が課長をボコボコにして逃げてくるところだった。

その瞬間、有川は凄い力で押し返され、跳ね飛ばされる。もうパラレルワールドを繋ぐ裂け目はなくなっていて、元の世界へ帰ることは出来なくなっていた。

焦り慌てたが、「あっちの有川」は自分以上に大慌てだろう。

団地に帰り妻に世話されながら、有川は「見慣れた部屋も女房も新鮮に見えるな。」と、満更でもない顔をするのであった。

 

「ぼくの悪行」のTwitterでの感想・考察

ここでは、実際にSF短編漫画「ぼくの悪行」を読んだ方のTwitterでの感想・考察をご紹介していきます。

「ぼくの悪行」に対する他の読者の感想・考察を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください！

ドラえもんではありませんが、同じ藤子F不二雄の「ぼくの悪行」という作品をぱっと思い出しました。『ぼくは神様』か『SF・異色短編 3』などの短編集に収録されてます。

— yokosa (@yokosa_) December 26, 2017

1978年の藤子不二雄のSF短編「ぼくの悪行」には31歳の主人公が出てくるんだけど、ありふれた日常に倦怠していたり、古女房がどうというセリフがあったりして、外見含めやたらと老けている。40年前の31歳はこんな感じだったんだろか。

— HaSh (@tocoro) March 26, 2017

松森士門個展「ぼくの悪行」
そよや江戸端

油彩の中に和のテイストを感じる
ツヤツヤのテクスチャーが気持ち良かった
藤子・F・不二雄の原作漫画「ぼくの悪行」にて、主人公が異なる二つのパラレルワールドを行き来し互いに影響を与えるストーリーから着想し、二種の絵画技法を並行して追究した展示 pic.twitter.com/hK9okBJVuu

— くまのアートbot (@kumaaaart) October 27, 2020

 

「ぼくの悪行」を収録するSF短編集一覧

藤子・F・不二雄先生のSF短編作品は発表された年代がバラバラとなっていることから、合計22冊ものSF短編集が書籍化されています。

ここでは、「ぼくの悪行」が収録されたSF短編集を一覧でご紹介します。

上記のように「ぼくの悪行」は複数のSF短編集に収録されているため、「ぼくの悪行」を読みたくても、どの書籍がオススメなのか分からない方もいらっしゃると思います。

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