【ネタバレ】藤子不二雄のSF短編「四畳半SL旅行」のあらすじや意味は？

 

みなさんこんにちは、気ぶりの爺さま（@fujiko_comic）です。

 

本記事では、藤子・F・不二雄先生のSF短編漫画「四畳半SL旅行」のあらすじ、ネタバレを詳しくご紹介していきます。

また記事の最後では、「四畳半SL旅行」を収録するSF短編集についても一覧で解説していきます。

この記事の信頼性

 

 

【ネタバレあり】「四畳半SL旅行」のあらすじ

「来たわ！」女子中学生の光ちゃんは幼なじみのボーイフレンド、母伊浩美が走り抜けて行くときにつぶやいた。

頭は悪くないが変わり者で物事に熱中しやすく思い込みの激しい彼。幼稚園のころ自分をスーパーマンと思い込みマンションの屋上から飛びおり、小学三年生時には『ドリトル先生』の影響で犬と親友になったつもりで相撲をとり、噛みつかれ大ケガを負った。

熱中すると空想と現実の区別がなくなる奇人という他ない彼が、急ぎ足で下校するところを追いかけつかまえ最近すぐに帰宅するのはなぜかと尋ねると、母伊は忙しいと答えるがふとなぜ知りたがるのかと光ちゃんに聞き返す。

光ちゃんは頬を赤らめ照れながら「近ごろどうしてるのかなと思って」というと、母伊は「寄ってく？」と自宅に誘うのだった。

二人は母伊家の離れに入って行く。襖を開けるとそこには作りかけの鉄道模型の世界が広がっていた。

光ちゃんにどうだと言わんばかりの母伊。戸惑う光ちゃんはおもちゃの汽車で遊ぶの？と問うと母伊は大人の立派な趣味だと言い、小さいころからやりたかったなどと言いながら模型制作に没頭。

呆然と光ちゃんが離れを出ると母伊の両親が話を聞こうと待ち構えていたのだった。応接間でお茶を飲みながら、本当に鉄道模型だけに熱中しているのかと心配する両親に光ちゃんは心配はいらないと告げる。

変わり者の息子の扱い方がわからない父にパパが甘いからと母。自殺されては困る、これからも様子を見に来てほしいと頼まれ光ちゃんは笑顔で「わかりました」と答えるのだった。

夏になり、光ちゃんは廊下で母伊に模型はいつできるのかと声をかけるが、母伊は抜け殻のように素通りする。

光ちゃんが自宅で読書をしていると母伊の母から母伊をプールにでも誘ってほしいと電話。

母伊が乗ってくるか不安に思いつつ訪ねると、母伊は離れの外で悪いが手が離せないと断る。報告を受けた母伊の母は迷惑を詫びるが、光ちゃんは自分も気になるのでと言い立ち去る。

夜間に光ちゃん家の電話が鳴り響く。母伊に「来てほしいんだ、今すぐ！」と言われ戸惑いあきれるが急ぐ光ちゃん。

離れには緻密な鉄道模型。光ちゃんに披露する程度には完成したのだ。動く小さな車両にかわいい素敵と喜ぶと嬉しそうに突然電気を消す母伊。

模型の家の窓の灯りや車両の室内灯の幻想的な美しさに溜息をつく光ちゃん。おめでとうというと母伊はまだこれからだと言う。光ちゃんは母伊の模型制作の熱中はしばらく続くと母伊両親に報告した。

秋になり頼まれて母伊を近所の小山にハイキングに連れ出したが、母伊は模型を秋景色にする着想を得て意気揚々と制作に没頭、さらにのめり込み模型の中の住人になりたいと言い出す。

光ちゃんは母伊が模型に吸い込まれる幻覚を見る。冬になり光ちゃんは食事にも出てこない母伊の離れのドアを叩く。

怒りながら一時間も早く模型のSLに乗り旅行したいんだと言う母伊に光ちゃんは正気を疑うが、母伊は自分の写真を切り抜いたものを模型に入れコマ送りの8ミリ映画を撮ろうとしていた。

一ヶ月後とうとう母伊は学校を休み、心配した光ちゃんは戸を叩くが応答なく、部屋に入ると自動の模型車両が動き出し、つい母伊が乗っているかを確認してしまう。

8ミリフィルムを見つけ映写してみると迫力あるSLと母伊の走る姿が絵コンテ通り再現されていた。

列車を追う母伊君の姿の撮影に執念を感じる光ちゃん。映像は紅葉の山のトンネルで母伊君がSLを待っているところで切れていた。

光ちゃんは閃き、以前登った小山に母伊君を発見、ここに列車はこない帰ろうと言うが切り抜きのようにビクとも動かない。

そのうちに二人の周囲にSLの音が鳴り響くのだった。

 

「四畳半SL旅行」を収録するSF短編集一覧

藤子・F・不二雄先生のSF短編作品は作成された年代がバラバラとなっていることから、合計22冊ものSF短編集が書籍化されています。

ここでは、「四畳半SL旅行」が収録されたSF短編集を一覧でご紹介します。

上記のように「四畳半SL旅行」は複数のSF短編集に収録されているため、「四畳半SL旅行」を読みたくても、どの書籍がオススメなのか分からない方もいらっしゃると思います。

結論を言うと、「四畳半SL旅行」だけに限らず藤子先生のSF短編集を読むなら、すべてのSF短編112作品が収録された完全版書籍『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』の購入をオススメします。

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