藤子不二雄のSF短編漫画「流血鬼」を考察！アイアムレジェンドとの関係は？

 

みなさんこんにちは、気ぶりの爺さま（@fujiko_comic）です。

 

ルーマニアから世界中に広まった謎の奇病により、人類全員が吸血鬼（新人類）となってしまうSF短編漫画「流血鬼」。

この記事では、そんな「流血鬼」のあらすじやネタバレ、感想・考察などを詳しくご紹介していきます。

また、「流血鬼」の元ネタとなったリチャード・マシスンの『地球最後の男（アイアムレジェンド）』との共通点・関係性なども解説していきます。

記事の最後では「流血鬼」などの短編漫画を多数収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』を数百円の格安価格で購入する方法も解説します。

この記事の信頼性

 

 

「流血鬼」の登場人物

あらすじをご紹介する前に、「流血鬼」に登場する登場人物をご紹介していきます。

登場人物①：主人公

本作の主人公。名前は不明。

最後まで「マチスン・ウイルス」に感染した吸血鬼に抵抗していたが、最終的にガールフレンドに噛まれ、吸血鬼（新人類）となってしまう。

登場人物②：友人

主人公の友人。

主人公とともに吸血鬼に対抗していたが、隠れ家から調査に出かけた際に吸血鬼となった警察官に捕らえられてしまう。

登場人物③：友人の兄

友人の兄。

主人公が吸血鬼に襲われていたところを自動車で救出してくれる。しかし、本人は吸血鬼に噛まれてしまったため、まだ理性があるうちに主人公と友人を逃してくれる。

登場人物④：ガールフレンド

主人公のガールフレンド。

吸血鬼化してしまう「マチスン・ウイルス」に極度の恐怖を抱いていた。最終的に主人公を吸血鬼（新人類）にしようと画策する。

登場人物⑤：医者

作中で登場する医者。

吸血鬼となってしまったことから、寝ている間に主人公に胸を杭で刺されてしまう。しかし、新人類の細胞再生により復活する。

 

【ネタバレ注意】「流血鬼」のあらすじ

ある日突然、ルーマニアから発生した謎の奇病「マチスン・ウイルス」が世界中に広がり、感染したものを次々と吸血鬼（新人類）に変えてしまっていた。

初めのうちはヨーロッパでの感染拡大をテレビで見ていた主人公たちだったが、ついに日本でも「マチスン・ウイルス」が発見される。

身の回りでも感染拡大の危機を感じ始めていた主人公たちだったが、主人公と友人、友人の兄3人で釣りに出かけた日、マチスン・ウイルスをガス状に散布するという吸血鬼たちのクーデターが起こる。

主人公の両親、ガールフレンド、近所の知り合いなども全員吸血鬼となってしまったため、主人公たち3人は自動車で逃亡する。しかし、逃亡の途中で友人の兄が吸血鬼に噛まれてしまったため、主人公と友人2人で秘密の隠れ家に潜伏することにした。

隠れ家に潜伏しながら吸血鬼たちに抵抗を続ける2人だったが、ある日、調査に出かけた時に友人が吸血鬼に捕まってしまう。

なんとか1人で隠れ家に帰ってきた主人公だったが、隠れ家にはなんと吸血鬼化したガールフレンドが待ち伏せしていた。

吸血鬼になる前のように親しく近づいてくるガールフレンドだったが、警戒する主人公は近寄らせない。それでも警戒を解こうとするガールフレンドは、主人公のために手作りの料理を用意していた。毒が入っていないか警戒する主人公だったが、お腹も空いていたこともあり、急いで料理を平らげる。

お腹もいっぱいになったことにより眠気に襲われている主人公に対し、少し眠るように促すガールフレンド。「心配なら自分を縛り上げても良い」と言うガールフレンドに対し、主人公は「そこまでする本当の目的は何だ？」と尋ねる。

ガールフレンドの目的はやはり「主人公の血を吸うこと」ではあったが、それはあくまで主人公を今の惨めな境遇から救うことが目的だと告げる。また、新人類は旧人類よりも遥かに優れており、血を吸う行為も「マチスン・ウイルス」を伝える一つの手段だとガールフレンドは説得する。

それでも主人公は信じず抵抗を見せたため、ついにガールフレンドは縛られていた紐を破り、強引に主人公の首に噛み付いた。

 

ある朝、主人公は病院のベッドで目覚める。

目を覚ましたとき、隣には主人公が胸に杭を刺して殺したはずの医者が座っていた。その医者が言うには、新人類（吸血鬼）は旧人類に比べて強力な体力と再生する細胞を持っているとのことだった。

退院した主人公はガールフレンドと歩きながら、新人類の赤い目と青白い肌に感動し、そして優しく光り輝く夜の道を歩いていった…。

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「流血鬼」を実際に読んで感じた感想・考察

次に、私が「流血鬼」を実際に読んで感じた感想や考察などをご紹介していきます。

ラストの結末・オチについても詳しく考察しているので、ぜひ参考にしてみてください。

「流血鬼」で描かれるパンデミックはコロナウイルスを彷彿とさせる

「流血鬼」を読んで感じたこととしては、現在世界中で感染拡大し続けているコロナウイルスを彷彿とさせることです。

もちろんウイルスに感染することで吸血鬼になってしまう「マチスン・ウイルス」とコロナウイルスは大きく異なりますが、感染拡大のスピード感や世界中を包む不安感などは、コロナウイルスが世界中に広まり始めた2020年1月頃を思い出してしまいます。

さらにコロナウイルスが日本で感染拡大したとき、スーパーや薬局から「マスク」「ティッシュ」「トイレットペーパー」「消毒液」などが売り切れになってしまったことが記憶に新しいと思います。

「流血鬼」の作中でも、「十字架」や「ニンニク」が爆発的な売り上げを記録したという描写があるので、そういった点でもコロナウイルスとの共通点があるように感じてしまいます。

「流血鬼」の結末・オチはハッピーエンドなのか？

最後の旧人類だった主人公がガールフレンドに血を吸われたことで、地球上の人類はすべて吸血鬼（新人類）となってしまいます。

そして新人類として目覚めた主人公は、以下のような発言をしています。

主人公たちは新人類となったことで新たな価値観を見出し、幸せや素晴らしさを感じながらラストの結末を迎えます。

一見ハッピーエンドで完結する物語のようですが、この作品の結末・オチはハッピーエンドと言っても良いのでしょうか？

もちろん新人類となったことで、旧人類とは比べものにならない強い体力、再生する細胞組織を手に入れ、生物としての強さは手に入れたことでしょう。

しかし、あらゆる価値観が変わってしまった新人類は、旧人類のときにあった素晴らしい価値観・文化を失っている可能性もあるのではないでしょうか？

上記の例はあくまで私の主観による考察ですが、「流血鬼」は様々なことを深く考えさせてくれる素晴らしいSF短編漫画であることは間違いありません。

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2chスレやツイッターでの「流血鬼」の感想・考察

ここまで私なりの「流血鬼」の感想や考察をご紹介していきました。

せっかくなので、2chスレ（なんj）やツイッターでの「流血鬼」に対する考察や感想、解釈などもあわせてご紹介していきます。

2chスレ（なんj）での「流血鬼」に対する感想・考察

流血鬼すき
ノスタル爺すき
ミノタウロスの皿すき

>30
ワイもや
特に流血鬼

引用：「藤子F不二雄」のSF短編とかいう闇ｗｗｗｗｗ

 

Fの漫画ってシンプルでうまくまとまってるよなぁ
漫画の究極の姿だと思う

引用：藤子・F・不二雄の流血鬼とかいう漫画ｗｗｗｗ

 

むしろわいが化け物だったんや！で終わるのがアイアムレジェンド
だったらわいも吸血鬼になってまえばええやん、なってみたら楽しいわ、までいくのが流血鬼や

引用：藤子・F・不二雄の流血鬼とかいう漫画ｗｗｗｗ

 

ツイッターでの「流血鬼」に対する感想・考察

藤子不二雄少年SF短編集
これは子供の頃に読んでとても記憶に残っていて、

特に「流血鬼」なんて、いまだに人へ説得するときの例え話に使うぐらい、子供ながらに価値観を180度変えさせられた体験だった pic.twitter.com/x3kfKCAuXe

— りっぷる赤ちゃん🤗友の会 (@babuuuuuuue) April 4, 2020

F先生の短編『流血鬼』は『アイ・アム・レジェンド』を換骨奪胎した作品です。『アイ・アム…』は邦題が何度か変わっており、最初が『吸血鬼』、それから『地球最後の男〈人類SOS〉』→『地球最後の男』→『アイ・アム・レジェンド』と変遷。F先生は最初の『吸血鬼』をもじって『流血鬼』としました。 pic.twitter.com/1Qpz0hSifl

— 稲垣高広（仮面次郎／koikesan） (@kamenjiro) June 5, 2020

コロナウイルスの報道を見てると、やはり流血鬼が頭に浮かびますねぇ。
コロナにかかって新人類になれるのなら良いのだけど（笑） pic.twitter.com/GgOZUSmkOz

— ぺけにし・F・ぺけお (@pekenishi_f) August 26, 2020

コロナウイルスのこと、考えるたびに藤子・F・不二雄の短編漫画、「流血鬼」を思い出すんだよな pic.twitter.com/IKgH9Dh8JL

— ¿ moshiya ? (@moshiyaa) April 21, 2020

 

『地球最後の男（アイアムレジェンド）』との関係は？

藤子・F・不二雄先生の「流血鬼」は、リチャード・マシスンのSF小説『地球最後の男』を元ネタ・オマージュした作品だと言われています。

実際、主人公たち以外が「吸血鬼」になってしまうというストーリーは共通しており、吸血鬼になってしまう謎の奇病を発見した博士の名前もリチャード・マチスン博士となっています。

この点だけでも、リチャード・マシスンの『地球最後の日』をかなり意識していることが分かりますよね。

 

また、小説『地球最後の日』をウィル・スミス主演にて映画化した作品が『アイ・アム・レジェンド』であり、日本でも興行収入43億円のヒット作品となりました。

アイ・アム・レジェンド

【見どころ】
人類が絶滅してしまった近未来を舞台に、唯一生き残った科学者と彼を狙う謎のクリーチャ―との攻防を描く。劇場公開版とは大きく展開が異なる別エンディング版。

【ストーリー】
ウイルスの蔓延によって人類の大半が絶滅した近未来。生き残った科学者のロバートは他の生存者を求めながら、孤独なサバイバルを続けていた。一方、街中ではウイルスに感染したかつての人類が徘徊を続けており、ロバートは怯える毎日を過ごしていたが…。

引用：U-NEXT

 

ちなみに映画「アイ・アム・レジェンド」は、20万本以上の動画を配信している国内最大級の動画配信サービス「U-NEXT」にて完全無料で視聴することができます。

のちに詳しくご紹介していますが、U-NEXTでは「流血鬼」を収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』を数百円の格安価格で購入することもできるので、気になる方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください！

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「流血鬼」は週刊ストーリーランドにてアニメ化もされている

「流血鬼」はSF短編漫画だけでなく、日本テレビ系列のバラエティ番組「週刊ストーリーランド」にてアニメーション化もされています。

しかし、週刊ストーリーランドの番組自体が放送終了から再放送されておらず、DVD・ブルーレイでも販売されていません。

唯一「週刊ストーリーランド ベストセレクション」というVHSが合計3本販売されていますが、そこにも「流血鬼」は収録されていません。

 

残念ではありますが、週刊ストーリーランドでアニメ化された「流血鬼」を視聴する方法は、現在のところないようですね…。

 

「流血鬼」を収録する藤子・F・不二雄のSF短編集一覧

藤子・F・不二雄先生のSF短編作品は発表された年代がバラバラとなっていることから、合計22冊ものSF短編集が書籍化されています。

ここでは、「流血鬼」が収録されたSF短編集を一覧でご紹介します。

上記のように「流血鬼」は複数のSF短編集に収録されているため、「流血鬼」を読みたくても、どの書籍がオススメなのか分からない方もいらっしゃると思います。

結論を言うと、「流血鬼」に限らず藤子先生のSF短編集を読むなら、すべてのSF短編112作品が収録された完全版書籍『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』の購入をオススメします。

『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』には、1冊に10作品以上の短編漫画が収録されており、かつ様々なサイトで販売されているので購入もしやすくオススメです。

 

「流血鬼」を収録する『SF短編集PERFECT版』を数百円で購入する方法

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上記3サイトでは、初回購入時などに配布されるクーポン・ポイントを利用することで、「流血鬼」などSF短編漫画11作品収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版（5）』を数百円の格安価格で購入することができます。

 

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