みなさんこんにちは、気ぶりの爺さま(@fujiko_comic)です。
急激な人口増加などが原因となり、人間からあらゆる愛情が急速に失われつつある世界が舞台となったSF短編漫画「間引き」。
この記事ではそんな「間引き」のあらすじやネタバレ、考察などを詳しくご紹介していきます。
記事の最後では、「間引き」などの短編漫画を多数収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』を数百円の格安購入する方法もご紹介していきます。
- 「間引き」のネタバレありのあらすじ
- 「間引き」を読んで感じた感想・考察
- 「間引き」を収録する『SF短編集PERFECT版』を格安購入する方法
この記事の信頼性
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SF短編漫画「間引き」の登場人物
「間引き」のあらすじを解説する前に、登場人物について簡単にご紹介していきます。
登場人物①:主人公
本作の主人公。
コインロッカーの案内人。最終的に自分の妻に毒殺されてしまう。
登場人物②:主人公の妻
主人公の妻。
昔は情の深い女だったらしい。カロリー保険の受け取りを目的に主人公を毒殺する。
登場人物③:木地角三(きじかくぞう)
朝目新聞社の週刊誌記者。
コインロッカーベイビーに関する記事を書くことを目的に、主人公が管理人をつとめるコインロッカーに取材に来ていた。
「間引き」のネタバレありのあらすじ
主人公はいつも通り、勤務先であるコインロッカー案内所に出勤しようとしていた。
しかし、妻は「行ってらっしゃい」というだけで弁当を渡してくれない。主人公が今月分の食券が切れたことを理由に弁当の催促をすると、文句を言いながらしぶしぶ弁当を渡してくれた。
お腹を空かせながら満員電車に乗って職場まで向かう主人公。職場に着いてから、昔の妻は今よりも「情に深い女だったはずなのに…」と嘆きながら、タバコを吹かしていた。
そこに突然、朝目新聞社の木地角三(きじかくぞう)という名前の週刊誌記者が現れる。最近頻発しているコインロッカーへの赤ん坊遺棄事件(コインロッカーベイビー)の取材をしたいとのことだった。
しかし、コインロッカーベイビーなんて毎日何十件と起きていることから、「今さらこんなとこ取材したって、おもしろい記事にはならんと思いますがね。」と主人公は記者に伝えた。
そのとき、突然主人公たちの目の前で殺人事件が起きる。
主人公は急いで警察に連絡するも犯人は逃げてしまう。警察の捜査終了後、主人公は「よけいな仕事が増えて・・・腹が減るばかりだ」と言いながら、平然と床掃除をしていた。
というのも最近はコインロッカーベイビーだけでなく、殺人事件も頻発しており、主人公も死体を見るのに慣れている様子だった。
床掃除が終わってから、コインロッカー案内所にて雑談をする主人公と木地角三。
木地角三は、コインロッカーの赤ん坊殺しは氷山の一角でしかなく、もっと根深い問題が人間にはあるのだと力説する。
「かぎは人口爆発ですよ。ご承知の通り1980年代の現在、世界の総人口はついに45億人に近づいた!!しかもなお、年2%の増加率で増え続けているのです。一方、食糧の増産はあるかにこれを下回り、日本ではついに配給制度が復活し……」
話に飽きてきた主人公は、昼食の話に切り替える。木地角三は食券を持っていると言い出かけてしまったので、主人公は妻からもらったお弁当を食べようとするも、入っていたのはカップラーメン。
残念そうにカップラーメンをすすっていた主人公だったが、突然案内所に保険販売の女性が入ってくる。
主人公がすすめられた保険は「カロリー保険」。保険の内容は“被保険者の死亡年齢を平均寿命から差し引き、残りの寿命で摂取するはずだった3分の1のカロリーを食券として遺族が受け取る”というもの。
しかし、主人公は「知ったことかよ。俺が死んだあとのあいつの食いぶちなんて!」と言い、保険の加入を断る。
しばらくしてから、木地角三が昼食から戻ってくる。木地角三の雑談を聞いていた主人公だったが、そこにコインロッカーへの赤ん坊遺棄が発生。
赤ん坊を遺棄しようとした若いカップル2人を捕まえたあと、木地角三は現在の人間からは「愛情」というものが急速に消滅しつつあることを話す。
「異性愛」「肉親愛」「隣人愛」「友情」…。
確かに主人公も、妻から自分への愛情が消え去っていることを感じつつあった。
夜まで主人公と話し込んだ木地角三は、コインロッカー案内所をあとにする。
主人公も戸締りなどの点検をして帰ろうとしていたところ、いきなり妻が夜食を持って現れる。嬉しさのあまり、主人公は泣きながら妻のおにぎりを頬張った。
そこにいきなり「ウ〜ッウ〜ッウ〜ッ」とサイレンが鳴り出す。そのサイレンは世界中の人口が45億人を突破した合図のものだった。
おにぎりを頬張っていた主人公だったが、突然苦しそうに倒れてしまう。実は、妻は主人公を被保険者として加入させていたカロリー保険を受け取るために、おにぎりに青酸カリを入れていたのだった。
妻は死亡した主人公をコインロッカーに隠すために、遺体を引きずっていったのだった…。
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「間引き」を実際に読んで感じた感想・考察
ここでは実際に私が「間引き」を読んで感じた感想や、作品内容に対する考察などをご紹介していきます。
ぜひみなさんも実際に「間引き」を読んで、いろいろな考察をしてみてください!
「間引き」が描かれた1970年代はコインロッカーベイビーが社会問題となった時期
ちょうど「間引き」が描かれた1974年はコインロッカーに赤ん坊が遺棄されるという事件(コインロッカーベイビー)が社会問題となっていた時期でした。
「間引き」の作中でもコインロッカーベイビーに関する内容がたくさん出てくるので、藤子・F・不二雄先生もこの社会問題を意識していたことは間違いありません。
実際、このコインロッカーベイビーの問題をテーマに、村上龍さんや細野不二彦さんなども小説や漫画を執筆しています。
それだけコインロッカーベイビー問題は、当時の日本でも大きな問題として扱われていたということですね。
主人公からも妻への愛情が消えていたのではないか?
朝目新聞社の木地角三が深く語っているように、この作品は人間から愛情が急速に消滅していることにより、コインロッカーベイビーなどの問題が頻発しているという内容でした。
結局、主人公も妻からの愛情がなくなってしまったことにより、青酸カリ入りのおにぎりで毒殺されてしまいます。
しかし、主人公の妻から愛情が消え去っていたように、主人公からも妻への愛情が失われていたのではないでしょうか?
実際、主人公は保険セールスの女性から「カロリー保険」をすすめられた際に「知ったことかよ。俺が死んだあとのあいつの食いぶちなんて!」と言い放っています。
主人公に妻への愛が残っていれば、自分が死んだあとの妻の生活を心配してもよさそうですよね…。
話のストーリー的に、妻から主人公への愛情が失われ毒殺されてしまう点が強調されていますが、最終的には主人公も妻と同じ行動を犯してしまっていたのかもしれません。
「間引き」の最後の結末・オチの意味とは?
「間引き」の結末・オチは、「45億マイナス1……」「プラス1、プラス1、プラス1……」と描かれたページで終了します。
この「45億マイナス1……」は地球全体の人口に対して、主人公の命が尽きたことで「マイナス1」となったことを意味しているのでしょう。
主人公が死亡する直前に地球の全人口が45億人を超えた合図のサイレンが鳴ったばかりなので、この考察はおそらく間違いないものだと思います。
しかし、読み終わった後に感じる、このなんとも言えないブラックユーモア溢れる感じがSF短編集の最大の魅力ですね。笑
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「間引き」が好きな方には「定年退食」もオススメ
「間引き」のようなブラックユーモアのある作品が好きな方には、ぜひ「定年退食」という藤子先生の短編漫画もあわせて読むことをオススメします。
「定年退食」のあらすじを簡単にご紹介すると、日本の深刻な食糧難により、ある一定の年齢を迎えると日本の「定員」から外されてしまうというブラックで社会性の強いストーリーが特徴の短編漫画です。
最終的に「定年退食」の主人公は、日本の「定員」から外れ、政府からの年金・医療・食料など一切の保障が打ち切られるという結末を迎えます。
「間引き」と「定年退食」をあわせて読みたい方は、後に詳しくご紹介する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版(2)』に2作品とも収録されているので、ぜひ記事の後半もチェックしてみてください!
また「定年退食」のあらすじなどをもっと詳しく知りたい方は、藤子・F・不二雄のSF短編「定年退食」のあらすじや結末を考察も参考にしてみてください。
SF短編漫画「間引き」の感想・口コミ・評判とは?
ここまで私なりの「間引き」に対する考察をご紹介してきましたが、他の方の感想や口コミ、評判はどのようなものなのでしょうか?
ここではTwitterでの「間引き」に対する評価や口コミをご紹介するので、ぜひ他の方の感想が気になる方は参考にしてみてください!
藤子F藤雄先生のSF短編集に『間引き』という作品がある
間引きでは人口が増え続ける現代で
愛という感情が失われ一定数人口が減少されるまで
人を簡単に殺す世の中になるという内容だったけど
虐待死のニュースを見ていると
間引きし始めている気がするのは気のせいだろうか— ももたろう (@momotalou1030) July 10, 2018
変な事件が起こる度に藤子・F・不二雄の「間引き」を思い出してしまう pic.twitter.com/gs7TbWzLIH
— 長谷川 (@HASEGWA114514) June 16, 2019
コロナの影響の最中で藤子先生の「間引き」を思い出す。
人類爆発で食料の配給制度も復活した社会の中でのお話。
人類が増えすぎるとどうなるかは、
「急速的に隣人愛、家族愛、友情、ありとあらゆる愛情が急速的に失われていくのかも知れない」という仮説がいよいよマジもんになってきた気がする。— 曽田 真吾(そた しんご) (@rooseboal_16) April 1, 2020
これとかヒョンヒョロとか間引きとか藤子先生の怪奇短編集に詰まってるからブラックでゾクっとくるセンスが好きな人は読むのをオススメするよ
— クリフ (@Cliff16sTrInG) April 24, 2017
「間引き」を収録する藤子・F・不二雄SF短編集一覧
藤子・F・不二雄先生のSF短編漫画は発表された年代がバラバラとなっていることから、合計22冊ものSF短編集が書籍化されています。
ここでは「間引き」を収録しているSF短編集を一覧でご紹介します。
- 異色短編集 1巻(ゴールデンコミックス/小学館)
- 藤子・F・不二雄 SF全短篇 1巻(中公愛蔵版/中央公論社)
- 藤子・F・不二雄 [異色短編集] 1巻(小学館叢書/小学館)
- 藤子・F・不二雄 [異色短編集] 1巻(小学館文庫/小学館)
- 藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版 2巻(小学館)
- 藤子・F・不二雄SF短編集 3巻(My First BIG/小学館)
- ビッグコミック×藤子・F・不二雄 SF短編集 上巻(ビッグコミックス/小学館)
- SF・異色短編 1巻(藤子・F・不二雄大全集/小学館)
上記のように「間引き」は複数のSF短編集に収録されているため、「間引き」を読みたくても、どの書籍がオススメなのか分からない方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、「間引き」に限らず藤子先生のSF短編集を読むなら、すべてのSF短編112作品が収録された完全版書籍『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』の購入をオススメします。
藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版
- 巻数:全8冊
- 価格(電子書籍):1,320円
- 価格(紙の書籍):1,980円
『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』には、1冊に10作品以上の短編漫画が収録されており、かつ様々なサイトで販売されているので購入もしやすくオススメです。
「間引き」を収録する『SF短編集PERFECT版』を格安購入する方法
Amazonなどの電子書籍52サイトを徹底比較した結果、以下の3サイトにて『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』を数百円の格安価格で購入できることが分かりました。
- ebookjapan:たくさんのSF短編作品を読みたい方向け
- コミックシーモア:とりあえず1冊SF短編集を読んでみたい方向け
- U-NEXT:SF短編作品と一緒に、藤子先生の映像作品も見たい方向け
上記3サイトでは、初回購入時などに配布されるクーポン・ポイントを利用することで、「間引き」や「定年退食」などのSF短編漫画を14作品収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版(2)』を数百円の格安価格で購入することができます。
この中でも合計3,000円の割引でSF短編集を購入できるebookjapanが、個人的に最もおすすめする電子書籍サイトです。
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※作品名から個別の解説記事に移動できます。
- 休日のガンマン
- スタジオ・ボロ物語
- 定年退食
- 権敷無妾付き
- ミラクルマン
- ノスタル爺
- コロリころげた木の根っ子
- 間引き
- 箱舟はいっぱい
- アン子大いに怒る(赤毛のアン子)
- やすらぎの館
- ポストの中の明日
- どことなくなんとなく
- ボクラ共和国
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このように感じた方は、【2022年最新版】藤子・F・不二雄SF短編集を超お得に読める電子書籍3サイトにて、それぞれ3サイトの特徴や、向いている方などを詳しく解説しています。
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