藤子・F・不二雄のSF短編「定年退食」のあらすじや結末を考察

 

みなさんこんにちは、気ぶりの爺さま（@fujiko_comic）です。

 

73歳以上の高齢者は年金・食糧・医療、その他一切の保障が打ち切られるという、衝撃のストーリーが展開する藤子・F・不二雄先生の「定年退食」。

ひと昔前の日本では考えられなかったストーリーですが、話題になった年金2,000万円問題など、少しずつ「定年退食」の世界が現実のものになろうとしています…。

この記事では、そんな「定年退食」のあらすじやネタバレ、考察などを詳しくご紹介していいます。

また「定年退食」を読みたい方向けに、数百円の格安価格で『藤子・F・不二雄SF短編集』を購入する方法もご紹介していきます。

 

この記事の信頼性

 

 

「定年退食」の登場人物を紹介

「定年退食」のあらすじをご紹介する前に、簡単に登場人物をご紹介していきます。

登場人物①：主人公

本作の主人公。

74歳の老人。老化防止のために、毎朝コーヒーに塩を入れた「塩コーヒー」を飲んでいる。まもなく二次定年を迎えるため、二次定年特別延長申し込みを行っている。

登場人物②：主人公の息子

主人公の息子。

主人公と同居しており、「73歳以上の定員カード打ち切り後」も主人公に食事を進める優しさを見せる。

登場人物③：息子の嫁

息子の嫁。

息子と同様、主人公を支える優しさを見せている。

登場人物④：吹山

主人公の友人。

主人公と同じく、二次定年特別延長申し込みを繰り返している。根拠のない噂やデマを主人公に持ちかけてくることがある。

登場人物⑤：奈良山首相

日本の首相。

急速な食糧事情の悪化により、「定員法」の大幅な縮小をテレビにて声明発表する。

 

【ネタバレ注意】「定年退食」のあらすじ

ある朝、主人公はいつものようにコーヒーに塩を入れるという少し変わった「塩コーヒー」を飲んでいた。

家族から「まずいでしょ、そんなもの。」と言われながらも、塩コーヒーを飲み干した主人公は区役所に出かける準備をする。というのも、その日は「定員法」で定められた「二次定年」の特別延長申し込みがある重要な日だった。

世界的な食糧難により、配給された食料をできる限り節食している主人公は、ふらつきながらも区役所に向けて歩き始める。しばらくすると、主人公に追いつくように友人の吹山が背後から現れた。

吹山は区役所までの道の途中で、主人公に「今日の二次定年特別延長申し込み書の登録ナンバー部分に、ツメで跡をつけておけ。必ず当たるから。」と言い出す。吹山の話によると、どうやらツメの跡が「贈賄の意思を示すサイン」ということらしいが、主人公は半信半疑だった。

区役所に着いて申し込み書を記入する主人公だったが、半信半疑ながらも吹山に言われたとおり、申し込み書にツメの跡をつける。区役所からの帰り道では、吹山と定員法の愚痴を言いながら帰宅した。

帰宅後、自宅にて「二次定年特別延長申し込み」の結果発表をテレビで確認する主人公。しかし結果はハズレ。

再度結果を確認するために、主人公はもう一度区役所に向かう。吹山も区役所に来ており、抽選結果の不当を訴えたものの、結果は変わらなかった。

そんな中、日本のリーダーである奈良山首相から、突然日本国民全員に向けての重大発表が行われる。

発表の内容としては、世界的な食糧難により「定員法」を大幅に縮小せざるを得ないこと、そして73歳以上の高齢者には年金・食料・医療・その他一切の国からの保障を打ち切るというものだった…。

その後、主人公と吹山は「わしらの席は、もうどこにもないのさ。」と言いながら、どこかへ歩いていくのだった…。

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「定年退食」の内容や結末・オチを考察してみた

ここからは「定年退食」の作品の内容や結末を、私なりに考察してきます。

少し前に話題となった年金2,000万円問題や、映画「ソイレント・グリーン」との共通点なども詳しくご紹介していきたいと思います。

「定年退食」の世界は深刻な食糧難にさらされている厳しい時代

「定年退食」の作品は、世界的に深刻な食糧難に陥っている時代設定となっています。

そのため日本でも食料の配給制度が復活しているだけでなく、「定員法」という特殊な法律が制定されています。

「定員法」の詳しい内容に関しては解説されていませんが、奈良山首相の重大発表から、おおよその内容を推測することができます。

そして、奈良山首相によって、この「定員法」が大幅に縮小されることが発表されることになります。

この「定員法」の改正により、主人公や吹山は「定員」から外されてしまうという厳しい結末を迎えてしまいます。

【年金2,000万円問題】「定年退食」が現実になろうとしている

2019年6月、金融庁により年金だけでは老後資金が2,000万円不足するとされ、大きな問題となったことが記憶に新しいのではないでしょうか？

今後日本はより少子高齢化社会に突入し、将来の年金破綻問題など、社会保障に関する課題が山積しています。

現在のところ、「定年退食」のように高齢者への保障が完全に打ち切られてしまうというストーリーは考えにくいかもしれませんが、数十年後には「定年退食」の世界が現実になっている可能性もないわけではないかもしれませんね…。

映画「ソイレント・グリーン」との共通点とは？

「定年退食」は、1973年に公開されたアメリカのSF映画「ソイレント・グリーン」とストーリーの共通点が多いことで知られています。

「ソイレント・グリーン」ストーリー

2022年ニューヨーク。人口増加と環境汚染により食糧問題は深刻を極めていた。同年、合成食品ソイレント・グリーンを発表したソイレント社の社長が自宅で殺害される。殺人課のソーンが捜査に乗り出すが、その背後には政府の陰謀が渦巻いていた…。

引用：U-NEXT 

「ソイレント・グリーン」も人口の急激な増加により、食料問題などの格差が広がってしまうという内容の映画です。

実際、藤子・F・不二雄先生も「定年退食」と「ソイレント・グリーン」の共通点に驚き、「決して盗作ではありません」と釈明していたようですね。

明日（6/12）BSプレミアムで映画「ソイレント・グリーン」が放送されます。
この映画を観た藤子F先生は、自分の短編「定年退食」と似ていることにショックを受け、「安直にマネしたと読者に受け取られても仕方のない状況」と感じて「絶対に絶対に盗作などではありません！」と訴えておいででした。 pic.twitter.com/YzFeS42Jg2

— 稲垣高広（仮面次郎／koikesan） (@kamenjiro) June 11, 2019

「定年退食」のような少しブラックユーモアがあり、社会性が強い作品が好きな方は、「ソイレント・グリーン」も合わせて視聴することをおすすめします！

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「定年退食」が好きな方には「間引き」もオススメ

「定年退食」のようなブラックな社会性の強い作品が好きな方には、同様に藤子先生の短編作品「間引き」も、ぜひ読んできただきたい作品です。

「間引き」のストーリーは世界の総人口が爆発的に増加したため、食料生産が追いつかず、配給制度が復活しているという時代背景となっています。

最終的に「間引き」の主人公は、自分の妻によってカロリー保険目的に殺害されるという悲しい結末となっています。

「定年退食」と「間引き」をあわせて読みたい方は、後に詳しくご紹介する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版（2）』に2作品とも収録されているので、ぜひ最後まで記事をご覧ください！

 

また、「間引き」の作品情報をもう少し詳しく知りたい方は、藤子・F・不二雄の短編漫画「間引き」のあらすじ・ネタバレ・考察にて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

藤子・F・不二雄の短編漫画「間引き」のあらすじ・ネタバレ・考察藤子・F・不二雄先生のSF短編漫画「間引き」のあらすじやネタバレ、考察などをご紹介しています。急激な人口増加が原因となり、人類から急激に愛情が失われていく世界の短編漫画です。記事後半では、間引きを収録するSF短編集をお得に読む方法も解説します。...

 

「定年退食」の2ch（なんj）やTwitterでの評価・考察

「定年退食」は、短編漫画としてどのように評価されているのでしょうか？

ここでは「定年退食」に対する2ch（なんj）やTwitterでの評価・考察をご紹介していきます。

2ch（なんj）での「定年退食」の評価・考察

定年退食すき

引用：ワイ、藤子F不二雄のSF短編集を読みビビる

 

1（二）劇画オバQ
2（中）気楽に殺ろうよ
3（三）間引き
4（一）絶滅の島
5（左）コロリころげた木の根っ子
6（右）ウルトラスーパーデラックスマン
7（遊）征地球論
8（捕）定年退食
9（投）ヒョンヒョロ

引用：藤子・F・不二雄のSF短編で打線組んだｗｗｗｗｗｗ

 

Twitterでの「定年退食」の評価・考察

藤子F先生の社会派SF短編では高齢化福祉社会が静かに崩壊する日を描いた「定年退食」もすさまじい傑作なのでオススメじゃ。「世界は核戦争や公害で滅びる」とかのネタが主流だった高度成長期に「平和な福祉社会が音もなく破綻する未来」を描いたＦ先生は天才すぎる(´・ω・｀)※画像は借りた pic.twitter.com/1JnkHTDYb3

— ハッテンマイヤーさん2.14世 (@itutubonbora) February 16, 2020

金融庁が「少子高齢化で年金は多分破綻するので積立投資とかの自助努力で2千万円ほど資産形成しておいてね」と公表し、「知ってた」「遂に言った」でTLが溢れている。この手の話ではいつも藤子・F・不二雄先生の短編「定年退食」を思い出す。初出は1973年。年金破綻等で高齢者の社会保障を打ち切る話 pic.twitter.com/rqQYY5bFYx

— 単眼愛（モノアイ） (@mono_i_love) June 4, 2019

年金破綻のニュースがここの所多いけど自分は藤子不二雄の「定年退食」読んでたからきっと未来はこうなるんだろうなぁと思ってたから余り驚かない。 pic.twitter.com/7N94blfp8a

— くじら (@yubaywww) June 4, 2019

 

「定年退食」収録する藤子・F・不二雄SF短編集一覧

藤子・F・不二雄先生のSF短編漫画は発表された年代がバラバラとなっていることから、合計22冊ものSF短編集が書籍化されています。

ここでは「定年退食」を収録しているSF短編集を一覧でご紹介します。

上記のように「定年退食」は複数のSF短編集に収録されているため、「定年退食」を読みたくても、どの書籍がオススメなのか分からない方もいらっしゃると思います。

結論から言うと、「定年退食」に限らず藤子先生のSF短編集を読むなら、すべてのSF短編112作品が収録された完全版書籍『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』の購入をオススメします。

『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』には、1冊に10作品以上の短編漫画が収録されており、かつ様々なサイトで販売されているので購入もしやすくオススメです。

 

「定年退食」を収録する『SF短編集PERFECT版』を格安で購入する方法

Amazonなどの電子書籍52サイトを徹底比較した結果、以下の3サイトにて『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版』を数百円の格安価格で購入できることが分かりました。

上記3サイトでは、初回購入時などに配布されるクーポン・ポイントを利用することで、「定年退食」や「間引き」などのSF短編漫画を14作品収録する『藤子・F・不二雄SF短編集PERFECT版（2）』を数百円の格安価格で購入することができます。

 

特に上記の中でも動画配信サービスU-NEXTであれば、「定年退食」と合わせてご紹介したSF映画「ソイレント・グリーン」も無料視聴することができます。

U-NEXTは31日無料トライアル期間中に解約すれば料金は一切かからないので、少しでも気になる方はとりあえず利用してみるのがいいかなと思います。
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また「もう少し詳しく定年退食を読む方法を知りたい」という方は、【2022年最新版】藤子・F・不二雄SF短編集を超お得に読める電子書籍３サイトにて、それぞれ3サイトの特徴や、向いている方などを詳しく解説しているので参考にしてみてください。

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